不妊の検査
一般の不妊検査には様々なものがあります。
- 基礎体温表
- ホルモン検査(採血)
- 頸管粘液検査
- フーナーテスト(性交後テスト)
- 卵管疎通性検査(通水検査)
- 子宮卵管造影
- 子宮鏡検査
- 腹腔鏡
- 精液検査
しかし、上記の一般の不妊検査で異常が発見されるのは半数程度にすぎません。
これは、卵巣、卵管、子宮内といった妊娠に最も大事な部分の機能検査(評価)ができないためです。
一般不妊症検査では明らかにできない5つの原因
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1. 卵子の質 The quality of the egg
卵子の質は残念ながら女性の年齢とともに老化していきます。
毎月排卵があっても、卵子の質がいいとはかぎりません。現に女性の平均閉経年齢は50歳です。50歳の女性のうち、半分の女性の方は排卵があり、生理がきます。しかし、50歳の方の卵子の質は老化しており、実際こどもにはなりません。また、若くしてなんらかの理由により、卵子の質が低下する方もおられます。そのことを検査する方法が現在のところありません -
2. 精子の質 The quality of sperm
通常の精液検査では、精液中の精子の濃度や運動率しか確認できませんが、実際妊娠するには精子のDNAの正常さ、および卵子に対する受精能力が必要とされます。そのことを検査する方法が現在のところありません。
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3. 卵管の質 The quality of the fallopian tube
卵管は卵管造影検査や卵管通気検査など、卵管の構造検査を行うことはできます。しかし、卵管の機能検査を行うことはできません。卵管機能とは、卵をピックアップする能力、卵を子宮に輸送する能力、卵に対して受精や発育に適した環境を提供する能力です。
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4. 子宮の質 The quality of the uterus
子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人科の病気がある場合や、ポリープなどがある場合の妊娠に対する評価が一定していないこと、また子宮の質の評価として超音波検査上で子宮内膜の状態を評価しますが、それだけでは子宮の質の評価はできず、十分な子宮の質の評価をする検査がみあたりません。
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5. 着床能力 Implantation ability
受精卵は子宮へ着床しますが、着床のメカニズムは複雑すぎてよくわかっていません。着床しない場合、その原因を明らかにする検査方法がありません。