不育症・着床不全
不妊症と不育症の治療を同時に
不育症
不妊症と対比される疾患として不育症があります。妊娠はするけれども、途中で残念な結果となり、赤ちゃんを得られないことをいいます。不育症も赤ちゃんが得られないわけですから、患者さまにとっては同じような状況だと思います。
不育症とは、1つの病気ではなく、流産(妊娠22週未満)を2回以上繰り返す、あるいは死産(妊娠22週以降)を含めた総称です。
不育症の原因は多岐にわたり、まだまだすべてが解明されたわけではありません。
そのため、原因の検査というよりは、リスク因子の検査を行う事になります
リスク因子には以下のものがあります。
- 凝固異常
- 免疫異常
- 子宮形態異常
- 内分泌異常
- 夫婦染色体異常
- 感染
着床不全
良好な受精卵を何度移植しても妊娠に至らない場合、着床がうまくいっていないのではないかと誰もが想像します。しかし、現代の医学では着床についてはほとんど何もわかっていません。このため着床に適切な条件を検査することも治療することもできません。
着床とは、自己の細胞ではない受精卵が子宮内膜に入り込むことであり、免疫学的には生物学的には反する現象です。
そのため、研究はかなりされているのですが、すべてが解明されているわけではありません。
着床不全を不育症の延長と考えるかどうかも議論があり、有効性に対する検討も行われていますが、有効性があるという報告はありません。
ただ、様々な取り組みが行われており、出来る範囲での検査は行われています。
不育症の延長線上に、着床不全があると考えて、不育症の検査を行う場合やその他、同種免疫検査(NK活性・Th1/Th2など)、胚受容能検査(着床の窓)、慢性子宮内膜炎の検査を行います。