胚培養室についてAbout the Embryo culture chamber
胚培養室(ラボ)は、女性の体内の環境を体外にて再現した施設です。
クリニック全体の約半分(約100坪)を採卵室、培養室など卵・胚を扱うスペースとして確保しております。
ふだん皆様にご利用いただいております待合室、診察室、処置室などとは違い、皆様には見えないところですが、この採卵室や胚培養室などの卵を扱うスペースや設備が、不妊治療の核といっても過言ではなく、体外受精(IVF)などの治療成績に大きく影響します。
クリーンルームで安全上のこともあり、残念ながら実際にお見せすることができませんが、顕微鏡14台、クリーンベンチ3台、インキュベーター15台を有し、最新の医療機器も取り揃えておりますので、世界水準の不妊治療を受けていただけることを確信していただける施設です。
また、『1つの卵は1人の人間である』を基本理念としており、Quality control & Quality assuranceを大切にし、皆様の大切な大切な命の源である卵や胚にとって、最高の環境を提供し、高い妊娠率を維持しております。
胚培養室スタッフよりMessage from Embryo culture workers
患者さまと直接ご対面することはわずかですが、その方の背景を考慮しながら、一人の人間として精子や卵子をお預かりすることをモットーとしております。
間違いの許されない精子や卵子の取り扱いには、細心の注意を払い、インキュベーターの個別化や、スタッフ2人以上による名前確認、手洗いの徹底など、ラボスタッフには厳しいルールを課し業務にあたるようにしております。
また、患者さま一人ひとりの精子や卵子のデータを整理し、定期的に検討を行うことで、今現在行っている臨床が自分たちの思い込みや偏った知識によるものではないかを確認し、客観的に判断する機会も得ています。
患者さま一人ひとりの背景が違うように、精子や卵子、胚にも個性があります。これらの個性をどう扱っていくのか、どうすればよい結果を招くことができるのか、方法を見出すことがもっとも難しく、しかし、最も大事なことです。
一人でも多くの患者さまに赤ちゃんが授かるよう、過去の経験や日本の学会などで得た情報だけでなく、海外で成功した新しい技術や培養液などの情報も積極的に収集しております。
この日々の試行錯誤と検討の繰り返しが、患者さまからお預かりした精子や卵子、胚の様々な個性に対応できる方法だと考えております。また、このことが私たち胚培養士の使命であると考えています。