2019年 第64回日本生殖医学会(2019.11.7-8 神戸)
タイムラプスインキュベーター導入による臨床効果について
大阪New ART クリニック
New ART リサーチセンター
松葉 純子森本 有香原武 佑樹伊藤 小百合岩瀬 寛子富山 達大
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目的
2018年より当院では全症例についてタイムラプスインキュベーター(以下TLM)にて培養している。そこでTLM導入前後での臨床成績を比較した。
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方法
2018年1月から12月に培養したTLM導入前群2423個、2018年1月から12月に培養したTLM導入後群2250個について、Day4、Day5、Day6の胚盤胞率、新鮮分割胚移植または新鮮胚盤胞移植を行った際の妊娠率を比較した。媒精はIVFまたはICSIにて行い、2PNが確認できた胚を対象胚とした。TESE症例胚は除外し、妊娠率には化学的妊娠は除外した。
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結果
各群の平均年齢はTLM導入前群37.1±4.2、TLM導入後群37.4±4.5で有意な差はなかった。各媒精方法の割合についても有意な差はなかった。採卵回数はTLM導入前群3.7±3.9、TLM導入後群4.1±4.8でTLM導入後群が有意に増加した(p<0.01)。
p<0.01)、Day5(40.2%(717/1785) vs. 45.6%(619/1356), p<0.01)、Day6(21.1(21.1%(222/1054) vs. 23.3%(767/179))であり、Day4、5での胚盤胞率が導入後群で有意に上昇した。妊娠率はTLM導入前群、導入後群の順に分割胚移植(15.6%(33/212) vs. 21.4%(49/229))、胚盤胞移植(5.7%(8/141) vs. 13.9%(10/72), p<0.01)であり、胚盤胞移植での臨床妊娠率が導入後群で有意に上昇した。