日本生殖医学会(2014.12.4-5 東京)
受精確認時に0PNだった胚のDay3での割球数と胚盤胞到達率及び妊娠率に関する検討
大阪New ART クリニック
New ART リサーチセンター
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目的
受精確認時に0PNであった胚(以下0PN胚とする)の中にはその後分割し、胚盤胞に到達する胚と分割胚から成長しない胚が存在する。そこで今回我々は、0PN胚のDay3での割球数と胚盤胞到達率及び妊娠率の関係について後方視的に検討を行なった。
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方法
2011年1月から2013年12月の期間、当院にてIVFを行なった203症例から得られた0PN胚365個を対象とした。受精確認はIVF施行から約18~20時間後に行い、Day4からDay6までに胚盤胞に到達した胚は凍結を行なった。Day4以降の胚盤胞到達率をDay3での割球数が8cell以上だった0PN胚と7cell以下だった0PN胚の2群に分類し比較した。また、凍結した胚盤胞のうち凍結融解胚盤胞移植を行なった症例もDay3時の割球数にて2分し、妊娠率を比較した。
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結果
IVFを施行し得られた2PN、1PN、0PN胚の分割率は98.6%、88.0%、14.3%、ICSIでは98.4%、92.6%、11.2%となり、IVF及びICSIともに1PN、0PN胚の分割率は2PN胚と比べて有意に低かった(p<0.01)。2PN、1PN、0PN胚の胚盤胞到達率はIVFで65.9%、 29.9%、28.1%、ICSIで 59.2%、19.0%、9.0%となり、IVF及びICSIともに2PN胚と比べて有意に低かった(p<0.01)。1PN、0PN胚の新鮮及び凍結融解胚移植の結果、移植を行なった93周期のうち12周期が妊娠し、4周期が出産、7周期が流産していた。残り1周期は妊娠継続中であった。出生児に異常は見られなかった。
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結論
胚盤胞到達率はDay3での割球数が8cell以上だった0PN胚では66.7%(70/105)、7cell以下だった0PN胚では9.2%(24/260)であり、8cell以上の0PN胚が有意に上昇した (p<0.01)。凍結融解胚盤胞移植後の妊娠率は、Day3での割球数が8cell以上だった0PN胚では17.1%(6/35)、7cell以下だった0PN胚では0.0%(0/11)であった(n. s.)。