学会発表・論文発表

日本生殖医学会(2013.11.15-16 神戸)

胚の発生速度と年齢からみたDay3における移植胚の選択基準

大阪New ART クリニック

New ART リサーチセンター

炭谷 美保松葉 純子横田 麻里子細川 由起上野 紗也香大原 知子椎名 薫森本 有香原武 佑樹富山 達大
  • 目的

    一般的にDay3では8細胞期が正常な発生速度であると言われているが、中にはそれよりも発生の進んだ胚も存在し、移植胚の選択に迷うことがある。本検討では発生速度が速い胚の妊孕性について年齢別に比較し、移植胚としての有用性について検討を行なった。

  • 方法

    2008年7月から2013年3月に当院にてDay3で新鮮単一胚移植を行った244症例を対象とした。Day3において胚観察時に割球数が10細胞以上であった胚(以下発生促進群)と、8細胞期胚(以下8細胞期群)の妊娠率について37歳未満と以上で分類して比較した。

  • 結果

    37歳未満の発生促進群と8細胞期群の妊娠率はそれぞれ40.0%(6/15)、21.0%(29/138)であり、発生促進群で高い傾向がみられた。37歳以上ではそれぞれ0%(0/19)、18.1%(13/72)であり、妊娠率は発生促進群で有意に低かった(P<0.05)。

  • 結論

    37歳未満の若年層においてDay3で発生の速い胚の新鮮胚移植では、妊娠率が高くなる傾向を示すが、37歳以上の高齢層においてはむしろ妊娠率が低下する可能性が示唆された。今後症例数を増やし、更なる検討が必要である。