学会発表・論文発表

日本生殖医学会(2012.11.8-9 長崎)

前日にcompaction形成がみられなかった培養5日目の胚盤胞の妊娠率について

大阪New ART クリニック

New ART リサーチセンター

炭谷 美保松葉 純子横田 麻里子橋口 綾乃細川 由起上野 紗也香大原知子貴志 瑞季椎名 薫森本 有香富山 達大
  • 背景

    正常な胚発生において、Day4でcompactionの形成、Day5で胚盤胞到達が一般的であるが、Day4でcompactionの形成がみられなかったにもかかわらず、Day5で胚盤胞まで発生していることがある。我々は、前日にcompaction形成がみられなかった胚盤胞の妊孕性について検討した。

  • 方法

    Day3、Day4で分割胚であり、Day5にて胚盤胞に至った胚のうち、Gardner分類によってICM、TEグレードの少なくとも1つにBを含む胚盤胞を単胚移植した17症例を対象とした(Day4-分割群)。コントロールとして、Day4でcompactionの形成が観察でき、翌日に胚盤胞に至った胚を同様の条件下で単胚移植した、39症例の妊娠率と比較した(Day4-comp群)。

  • 結果

    Day4-分割群、Day-4comp群において、採卵時の年齢、IVF回数、Day3の割球数で有意な差はみられなかった。Day4分割群、Day-4comp群の妊娠率はそれぞれ5.9%、30.8%であり、Day4-分割群で有意に低かった(P<0.05)。

  • 結論

    Day5にて良好胚盤胞であっても前日にcompactionを形成していない胚は妊娠率が低いことが示唆された。