日本生殖医学会(2012.11.8-9 長崎)
年齢及び形態によるDay6凍結胚盤胞の生存率の比較
大阪New ART クリニック
New ART リサーチセンター
橋口 綾乃松葉 純子横田 麻里子炭谷 美保細川 由起上野 紗也香大原知子貴志 瑞季椎名 薫森本 有香富山 達大
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目的
我々はDay5凍結胚盤胞における、年齢及び形態による生存率、妊娠率について報告してきた。今回、年齢及び形態によるDay6凍結胚盤胞の生存率について比較検討した。
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方法
2011年7月から2012年3月までに当院にて卵巣刺激(GnRHアゴニスト法およびGnRHアンタゴニスト法)を行ない、採卵数5個以上でIVFまたはICSIを行なった206周期を対象とした。患者を採卵前に測定したP値を基に1.0ng/ml未満、1.0ng/ml以上の2群に分類し、妊娠率を比較した。 2006年7月~2012年2月にDay6にて胚盤胞凍結を行なった324個の胚を対象とした。年齢(29歳以下、30~34歳、35~39歳、40歳以上)及び形態(良好胚:Gardnerの分類にてBB以上、中間胚:ICMまたはTEにCを含む、不良胚:CC)による融解から2時間後の生存率を比較した。
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結果
良好胚と中間胚の生存率は年齢による影響を受けず、中間胚は良好胚に比べて有意に生存率が低かった(90.1%vs97.0% P<0.05)。不良胚では年齢によって生存率に有意差が見られ、39歳以上は38歳以下よりも有意に生存率が低下した。(64.2% vs 84.4% P<0.05)。
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結論
Day6凍結の中間胚、不良胚は良好胚に比べて有意に生存率が低く、さらに不良胚では年齢によって生存率の低下がみられた。Day6凍結胚移植の際には、生存率の低さを考慮すべきと考えられた。