学会発表・論文発表

日本生殖医学会(2011.12.8-9 神奈川)

ICMとTEのグレードが異なる胚盤胞の移植胚選択に関する検討

大阪New ART クリニック

New ART リサーチセンター

細川 由起松葉 純子小泉 あずさ横田 麻里子橋口 綾乃炭谷 美保佐藤 暁子上野 紗也香富山 達大
  • 目的

    昨年度、本学会において我々は新鮮胚盤胞移植に関して、ICMとTEともにC判定である不良胚盤胞は2個以上移植することで妊娠率改善につながることを報告した。今回我々は、胞胚腔のグレードが同一でもICMとTEのグレードが異なる場合の移植胚の選択について後方視的に検討を行った。

  • 方法

    2002年1月から2011年6月の期間、新鮮単一胚盤胞移植を行った22歳から45歳までの247人277周期を対象とした。胞胚腔の広がりが同一グレードかつICMのグレードがTEよりも良い胚を移植した周期(ICM>TE群)と、TEの方が良い周期(ICM<TE群)の妊娠率を年齢別に検討した。

  • 結果

    35歳以下において、胞胚腔のグレードごとにICM>TE群とICM<TE群の妊娠率を比較したところ、両群間で有意差は認められなかった(Hatching BL. : 25.0% vs. 40.0%, Expanded BL. : 29.4% vs. 0%, Full BL. : 16.7% vs. 0%, ICM>TE vs. ICM<TE)。一方、36歳以上ではHatching BL.においてICM<TE群の妊娠率が有意に高い結果となった(12.5% vs. 57.1%, p<0.05)。Expanded BL.(13.3% vs. 50.0%)、Full BL.(0% vs. 10.0%)では両群間に有意差は認められなかった。

  • 結論

    Hatchingと着床との関係において、妊娠成立にはTEが十分に発達している事が重要であると考えられた。