学会発表・論文発表

日本生殖医学会(2009.11.22-23 金沢)

Day4での胚評価にはDay3の割球数が関係するか

大阪New ART クリニック

New ART リサーチセンター

小泉 あずさ福富 紀子松葉 純子横田 麻里子橋口 綾乃日貝 千春炭谷 美保宮田 広敏富山 達大
  • 目的

    昨年、Day4にlate morula以上に発育した胚がDay4凍結の指標の一つとなることを報告した。一方、新鮮胚移植周期においてDay4にlate morula以上の胚を得られない症例も存在し、Day4に胚選択を必要とすることがある。compactionが起こる時期は受精からの時間により規定されており、卵割の遅い胚は少ない割球数でもcompactionを起こすことが知られている。このことから、Day4の形態だけで胚選択を行うことは不十分であると考えられる。そこで今回、Day3の割球数がDay4の胚形態とその後の胚発生に影響するか後方視的に検討した。

  • 方法

    2009年3月~2009年5月の間に新鮮胚盤胞移植を施行した55周期301個を対象とした。Day4にearly morulaあるいはcompact morulaであった胚について、Day3時の割球数別にDay5での胚盤胞到達率、良好胚盤胞到達率を比較した。

  • 結果

    Day4でのearly morulaあるいはcompact morulaへの発生率はDay3時の割球数が2~3cell、4~6cell、7~9cell、10~13cellでそれぞれ0%、21.8%、43.8%、20.0%であった。Day4にearly morulaあるいはcompact morulaであった胚の胚盤胞到達率はDay3に4~6cell胚では41.9%であったのに対し、7~9cell胚では87.0%と有意に高かった(P<0.01)。良好胚盤胞到達率は4~6cell胚で9.7%であったのに対し、7~9cell胚では30.4%と有意に高かった(P<0.05)。

  • 結論

    Day3の割球数によって胚盤胞到達率、良好胚盤胞到達率に影響したことから、Day4において桑実胚を選択する際にはDay 3における割球数を考慮する事が有効であると示唆された。