学会発表・論文発表

日本生殖医学会(2009.11.22-23 金沢)

当院のRescue ICSIの基準

大阪New ART クリニック

New ART リサーチセンター

福富 紀子松葉 純子小泉 あずさ横田 麻里子橋口 綾乃宮田 広敏富山 達大
  • 目的

    当院ではconventional IVFにおいて、第二極体(2PB)の有無により受精を予測し、第一極体のみの卵にRescue ICSI(R-ICSI)を施行している。今回、Rescue ICSIの適応症例を明確にするため、R-ICSIの結果を後方視的に分析した。

  • 方法

    インフォームド・コンセントを得たのち、2008年1月~2009年4月までにR-ICSIを施行した61周期を対象とした。周期毎に2PB放出卵から得られた2PNの割合とR-ICSIから得られた2PNの割合を算出した。

  • 結果

    初回周期(43周期)において、4周期(9.3%)は2PB卵が得られなかったがR-ICSIにより2PNが得られた(4/4,100%)。2PB卵は得られたが、2PNが1つも得られなかった周期は7周期(17.9%)であった。しかし、7周期中3周期が1PNもしくは極体が断片化した卵(PBfrag卵)から2PNが得られた。2回目以降の周期(18周期)では、1周期(5.6%)は2PB卵が得られなかったが、PBfrag卵から2PNが得られた。2PB卵は得られたが2PNが得られなかった周期は3周期(17.6%)であった。しかし、3周期中2周期が1PNもしくはPBfrag卵から2PNが得られた。

  • 結論

    初回周期では2PB卵が無ければ、R-ICSIを行う必要があると考えられた。2回目以降の周期では、2PB卵の有無に関わらずR-ICSIは行わなくてもよいと考えられた。