学会発表・論文発表

日本生殖医学会(秋田)

35歳未満、2回目治療周期における胚盤胞移植胚数の検討

大阪New ART クリニック

New ART リサーチセンター

松葉 純子福富 紀子宮田 広敏小泉あずさ横田 麻里子梶原 慶子橋口 綾乃富山 達大
  • 目的

    2007年3月に日本生殖医学会から胚移植に関するガイドラインが新たに発表されたことより、多胎妊娠防止の取り組みが本格的になりつつある。当院でも 35歳未満の初回治療周期で良好胚盤胞を有する周期には積極的に胚盤胞の1個移植を行っており、2個移植を行った頃と比較して有意に多胎妊娠率が減少した(0.0% vs. 62.5%)。しかしながら、2回目以降の治療での胚盤胞移植周期では、2個以上の胚盤胞移植を行うことがいまだ多い。そこで、2回目治療周期で胚盤胞移植を行った周期について移植胚数ごとの臨床成績を検討した。

  • 対象及び方法

    2002年1月から2007年4月までに当院にて2回目移植周期にて胚盤胞移植を行った35歳未満の周期を対象とし、移植胚数1個と2個の群に分けて、妊娠率、多胎率、流産率を検討した。

  • 結果

    妊娠率は1個移植群と比較して2個移植群が有意に上昇したものの(36.7% vs.68.6% p<0.05)、多胎率も有意に上昇した(0.0% vs. 33.3% p<0.05)。流産率には有意な差はみられなかった。

  • 検討方法

    35歳未満で良好胚盤胞を有する周期について、初回移植周期については多胎防止の観点から引き続き1個移植が有効であると考えられるが、2回目以降はインフォームドコンセントの上、移植胚数を決定することが望ましいと考えられた。