学会発表・論文発表

日本不妊学会(旭川)

当院における新鮮胚盤胞移植ならびに凍結融解胚盤胞移植の成績

大阪New ART クリニック

New ART リサーチセンター

吉野 千尋馬場 聖子大久保 美里宮田 広敏亀田 隆富山 達大
  • 目的

    当院では平成9年より胚盤胞移植を導入し、良好な成績を得ている。また積極的にVitrification法にて胚盤胞を凍結し、凍結融解胚盤胞移植を行っている。今回、過去2年間の成績を検討したので報告する。

  • 対象・方法

    2002年1月から2003年12月までに当院にて新鮮胚盤胞移植を行った345周期ならびに凍結融解胚盤胞移植を行った179周期、全胚凍結融解胚盤胞移植を行った34周期を対象とした。培養はHTFならびにMedicult社のBASI、BAS2を用いて6%CO2、 5%O2、89%N2気相下で行った。凍結方法は、7.5%EG+7.5%DMSO(平衡化液)に2分間平衡後、 15%EG+15%DMSO+Sucrose、Ficoll (ガラス化液)に浸し30秒以内に液体窒素につけ凍結した。融解は胚盤胞を0.33M sucroseの順に融解し2時間培養後、胚の状態を確認し移植を行った。 結果:新鮮胚盤胞移植では妊娠率は37.7%、凍結融解胚盤移植では48.0%、2回目37.4%、3回目22.2%、4回目51.6%、5回目45.5%,、6回目50.0%、7回目27.3%、8回目以上0%となった。

  • 考察

    新鮮胚盤胞移植については、体外受精回数と妊娠率に相関性は認められなかった。このことから、新鮮胚盤胞移植の場合、体外受精回数に関係なく胚盤胞の qualityが妊娠に大きく関与していると考えられる。また、凍結融解胚盤胞移植の妊娠率が良好なことから、症例によっては全胚凍結融解胚盤胞移植の選択も有効と考えられた。